ブルーライトカットメガネは本当に必要か?

元メガネ屋の情報

ブルーライトカットメガネが売れている。
「ブルーライトが目に悪影響を与える」
という情報が世の中に出回っているからだ。

テレビや雑誌。
ネットでもこれらの情報は見かける。

全く影響がないというつもりはない。
ただ、眼精疲労に関しては疑問がある。

スマホの利用が原因ではないかと疑っているからだ。

ブルーライトを完全カットして欲しいと言われた

以前メガネ屋に勤めていた。
その時にこんなことがあった。

「ブルーライトを完全カットしたメガネが欲しい」

来店するなり開口一番そう告げたご婦人。
現在のところブルーライトを完全カットするものは存在しない。
おそらくメーカーも作らない。
ブルーライトを完全カットしてしまうと、青色が見えなくなってしまうからだ。

ブルーライトというのは、可視光線(目で見える光)の中のうちの短波長のもの。
380~500ナノメートルくらいの波長のものを指している。
ブルーライトは可視光線。
青色を認識するために必要な光だ。
なので完全カットしてしまうと見えなくなる。

もし完全にカットしてしまったら、世界は黄ばんで見えるだろう。
キレイな青空もタバコのヤニで汚れたように見えてしまうのだ。

「ブルーライトは目に悪いってテレビで言っていた」

彼女の主張はこうだった。

ブルーライトを浴びると白内障などの眼病になる。
最悪、失明の危険もある。
出来るだけ浴びてはいけない。
ブルーライトは危険だ。

ということだった。

睡眠障害や眼精疲労の原因になる。
ドライアイなどの症状にも影響がある。

テレビではそのように説明があったそうだ。

お客さんがどのテレビを見てそう主張しているのかはわからない。
しかし、それって本当にブルーライトのせいなのだろうか?

眼精疲労の原因は本当にブルーライトが原因か?

ブルーライトの影響は今のところよくわかっていない。
研究論文でも目に影響があるとかないとか論争中だ。
仮にブルーライト自体が危険だったら、日中外を歩いている方が危険だろう。
晴れの日はブルーライトだらけなのだから。

眼精疲労もスマホのブルーライトが原因だと言われている。
本当にそうだろうか?
スマホをみるときを想像してほしい。
肘を伸ばして持つ人は少ないだろう。
大抵の人は顔のすぐ目の前まで持ってきて見ている。
おそらく20センチも離していないはずだ。

そんな近距離で長時間見ていれば目が疲れて当たり前。
人間の目は近くを見る方がパワーを必要とするからだ。

人間の目は遠くを見ている状態で目が休んだ状態になる。
逆に近くを見るには、ものすごくパワーを使う。
眼筋を収縮させて水晶体という目の中のレンズを膨らますからだ。
ずっと力んでいるような状態だ。

試しに長時間近くを凝視してみるといい。
おそらく遠くを見ているよりもずっと目が疲れるはずだ。
目はそういう構造をしている。
ブルーライトと眼精疲労が一概に関係しているとは言い難い。

しかも、30代後半から多くの人が近くを見るための能力が落ちてくる。
20代の時よりの半分以下に落ちていることもある。
そのため本人の気づかないところで目を酷使することになる。
疲れ目の原因になるのだ。

「疲れ目を訴える人が多くなってきた」
それは単純に高齢化社会になったからではないか?
若者よりも目の力が衰えた人が多くなったからという見方もできる。
ブルーライトが原因とは言い切れないのだ。

睡眠障害に関しては、その通りだろう。
寝る前にスマホを見るとブルーライトを夜に浴びることになる。
すると体内時計が狂ってしまう。
脳が朝だと勘違いするからだ。

ブルーライトカットはビジネスのために生み出された?

ブルーライトが目に悪いという話はビジネス上の問題なのではないだろうか?

昔と違いメガネの単価は落ちてきている。
利益が出ない構造になってきているのだ。
ビジネスとして成り立たせるためには利益が必要。
そこで高付加価値のレンズを売る必要が出てきた。
白羽の矢がたったのが、たまたまブルーライトだったのではないだろうか。

「眼病予防にブルーライトカット」
「ブルーライトカットレンズで眼精疲労が軽減」
そんな売り文句が世の中には溢れている。

でも本当に悪いのはブルーライトだろうか。
ブルーライトカットレンズを使えば全て丸く収まるとでも?
それよりもライフスタイルを少し変えるだけで解決する問題のように思える。

電車に乗れば皆、スマホに夢中だ。
座席に座っている人も立っている人も一様にスマホをいじっている。

友達や家族と一緒でもスマホを見ている。
はたから見た異様な光景だ。

駅に着き電車のドアが開く。
乗車待ちの列もスマホを見ている人だらけだ。

歩いている人もスマホ。
レストランでご飯を食べている人もそうだ。
誰も彼もがスマホを見ている。

ブルーライトが全く目の健康に影響がないとは言わない。
でも本当に目が疲れるのはブルーライトのせいだろうか?
ドライアイはブルーライトが原因なのか?

冒頭の婦人には、ご納得いただけなかった。
多くの人も納得しないかもしれない。
でもブルーライトカットレンズを使ってまで長時間見る必要はあるのか。

何か特殊な仕事でもないかぎり、一般人には不要なものの気がする。
ほんのちょっとスマホを見る時間を減らすだけで、目の健康は守れる。

ブルーライトカットレンズを買うのはちょっと待って欲しい。
もう一度、スマホとの関わり方を見直してみてはいかがだろうか?